東京急行電鉄蒲田駅(東京都大田区)と京浜急行電鉄蒲田駅を結ぶ新路線「蒲蒲(かまかま)線」の設置を、東京急行電鉄が検討していることがわかった。東急電鉄が京急電鉄に乗り入れて羽田空港に接続することで、外国人客の取り込みをねらう。asahi.comに15日の深夜にこの記事が配信された。ただ、この記事にはいくつか事実誤認があるように思える。
15日までに投資家説明会などで、蒲蒲線建設を本格的に検討し、国などに支援を求める考えを示した。両駅は約800メートル離れており、利用者からは、乗り換えに「不便」などの声が上がっていた。国は建設に前向きで、大田区が整備の効果などを調べていた。
ただ、京急と東急は車輪の幅が違うため、幅を変えられるフリーゲージトレインなど新車両の導入が不可欠だ。東京都など関係者の合意も必要で課題は多い。
「蒲蒲線」とは、運輸政策審議会答申第18号において「京浜急行電鉄空港線と東京急行電鉄目蒲線(現多摩川線)を短絡する路線の新設」として答申され、目標年次(2015年:平成27年)までに整備着手することが適当であると位置付けられた路線で、東急多摩川線矢口渡駅~蒲田駅間から分岐し、京急空港線糀谷駅~大鳥居駅間で接続する新たな短絡線=新空港線「蒲蒲線」を整備する計画である。
東急東横線は、平成24年度に東京メトロ副都心線と接続し、副都心線を経由して東武東上線、西武池袋線と直通運行を開始する予定である。
この副都心線方面からの直通列車を、東急多摩川線を経由して東急蒲田地下駅まで運行可能な計画とした。また、東急蒲田地下駅からは新空港線「蒲蒲線」、京急空港線を経由して羽田空港駅まで運行可能な計画とした。
東急蒲田地下駅では、同一ホームで乗換する計画とした。
以上は大田区のHP(http://www.city.ota.tokyo.jp/seikatsu/sumaimachinami/koutsu/kamakamasen/h22sinnkuukousenntyousa.files/22torimatome_web.pdf)に掲載されている「蒲蒲線」の概要であるが、東急多摩川線矢口渡から地下路線を建設し、東急蒲田に接続。そこから東急蒲田~京急蒲田(南蒲田)~大鳥居を建設する。実際、大田区役所の地下には、この蒲蒲線の通過を前提にした路盤が整備されている。この部分はまだどこが事業主体になるかは決まっていないが、今回、東急がこの路線に前向きな姿勢を示した。
ただ、この路線は図を見てもらうとわかるが、東急蒲田で多摩川線からの電車と蒲蒲線の電車が同一ホームで乗換する計画としている。つまり、蒲蒲線の電車はあくまでも東急蒲田から既存の東急の路線とは直通しない前提になっているので、軌道幅の違いの考慮やフリーゲージトレイン等も必要はない。むしろ、京急や東京都との調整の方が課題となるだろう。
また、18m3両の多摩川線の改良も必要になる。ただ、田園調布(自由が丘)~蒲田をノンストップにすれば、さほどの費用をかけずにはすむ。
この計画は蒲田をりんくうタウンとして整備したい大田区の悲願でもある。本年5月に京急のエアポート快特の系有蒲田通過に反発した事も、この計画が後退してしまうからである(筆者は妥当と考える)。実現すれば、東京西部や埼玉南西部から羽田空港へのアクセスは向上するが、先ほども書いたが、大鳥居の線路配置からしても蒲蒲線は京急空港線への乗り入れを前提としているが、自らの減収につながる京急がこれをのむかどうかはかなり不透明と言えよう。
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